表現活動を通した心地よい親子の関わりを、みんなの"当たり前"に。
「私は自分の母親よりも、”いい母”になれる」
かつての私は、そう信じていました。
でもいざ母になったときに私が直面したのは、果てしない「孤独」。
誰にも協力を求められず、好奇心旺盛で心のままに行動する息子に翻弄され、
まわりの目線を気にして謝ってばかり。
ただ必死に子どもと向き合っていた私を変えてくれたのは、あるワークショップ。
子ども主体の表現活動を見守る「レッジョエミリア・アプローチ」に触れた私の脳裏に、
幼い頃に見た母の面影が蘇ってきました。
田んぼに集まるカモに食パンをやりたがる私の好奇心を止めることなく、
「また買えばいいから」と、全部あげるまで見守ってくれた母。
好奇心から母が大切に育てていたゴムの木の枝を折ってしまった私を叱ることなく、
「一回だけよ、ゴムの木は生きているから」と、学びに変えてくれた母。
観葉植物の鉢に人形を並べる私を邪魔者扱いせず、
水やりのときは「そろそろ雨が降るわよ」と、優しく促してくれた母。
「子どもを評価するのではなく、興味あるものに寄り添う」
「子どもの表現や遊びを止めることなく、どこまでも発展させていく」
そんなあり方が、想像すること、考えることの楽しさにつながり、
私の幼少期を豊かに彩ってくれていたことに気付いたのです。
でも残念ながら、それは日本の教育における”当たり前”ではありません。
椅子に座っていられない子は排除された環境で壇上の先生から学ぶような、
母が「考えられない」と憤慨していた教育のあり方が、何十年も前から変わっていません。
「それならば、私が感じた心地よい親子の関わりを、多くの人々と共有したい」
「地域に小さな幸せの種をまく、てんとう虫のような存在でありたい」
私はそんな想いを抱き、Ladybug Learning Projectを立ち上げました。
イタリア発のレッジョエミリア・アプローチですが、
実は産業化前の日本人の心には、そんな感覚が根づいていたと感じることもあります。
イタリアをそのまま真似するのではなく、その街にあった手法を取り入れながら、
まずは茅ヶ崎で、藤沢で、小さな気づきと創造の種まきをしていきます。
Projectの主役は私たちではなく、地域のみなさんです。
一人ひとりが心地よさや楽しさに気付き、
いつか「Ladybugなんてもう要らないよね」なんて言われるくらい、
みんなの”当たり前”として社会に広がっていきますように。
Let’s play and enjoy your life with children!
Ladybug Learning Project 栗林大空(Jiyuu Kuribayashi)